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2019年9月22日(日)13:30〜15:30 審査員・鑑査員及び支部長勉強会

今年度より「書の心」誌の半紙行書課題として取り上げている「小野道風」の『屏風 土代』。
和様書道発展に多くの功績を遺した「小野道風」の書風を掘り下げ、今後の臨書への取り組みに活かそうと勉強会が開かれました。今回は「山中感懐」の一節を臨書作品にすることが課題でした。参加者からは、「これまでの中国・唐時代の『顔真卿』などの作品から、日本独自の文化が熟成していく平安時代の作品に変わったことで、歴史的背景や『小野道風』の人物像などがとても興味深く調べられた。」「詩の内容もよく理解することができて、書いていて楽しかった。」など次々と感想が述べられました。参加者の作品は、筆使いを重視して練習してきた作品、できるだけ原帖に近い形式にこだわった作品、更には自身の作品として昇華させたものまで様々でした。米山映峯最高顧問は「『屏風土代』が何を教えてくれるか、まずは原帖とおりに書いてから、筆法・布置・時代・・・など、ここから何を学ぶかを自分で考えることが大切です。私自身も今回何を学ぼうか焦点を絞って書きましたが、また違う視点から書きたいと思います。」話されました。後半では筆法の理解を深めるために全員で筆を持って練習をしました。席の近くの方と解り難かった筆使いをアドバイスし合ったり、資料を基に原帖の文字の捉え方を話し合ったりと活気に満ちた勉強会でした。


2019年9月15日(日)13:30〜15:30 研究会「行書作品 草書作品」

晴れ渡る空を見上げて思わず深呼吸をしたくなるような気持ちの良い季節となりました。
9月初旬に「第55回書心展」の作品提出が終わりホッとしたのも束の間、休む間もなく「書の心」誌の月例課題の提出日が間近に迫りました。「書の心」誌では毎月の半紙課題の中で、4月からは行書課題が「小野道風」の『屏風土代』、草書課題が「懐素」の『千字文』に変わりました。今回の研究会では、行書はそれまで学んでいた中国の「顔真卿」の課題から和様書道を、また草書は数多く書かれている『千字文』の中から選んだ「懐素」の書を、どのような点に着眼して臨書をしていくのが良いかを学びました。最初に大塚桐霞会長が『屏風土代』について説明し、参加者が持参した課題作品を例にしながら「小野道風」の書風の特徴を話されました。『千字文』では石橋柳苑名誉顧問が「懐素」と『千字文』についての詳しい資料を作成して配布してくださり、「書道を学ぶ方なら必ず一度は取り組むであろうと言われる『千字文』ですから、制作に至った歴史背景や内容も深く掘り下げて書くと、一層勉強になります。」と話され、それを基にして詳しく解説してくださいました。また、今回は特に筆法の練習時間を多く取り、大塚会長始め、役員の先生方が参加者ひとりひとりに対応しながら、筆使いなどで疑問のあるところや、練習してもなかなか書けなかった箇所などを丁寧に指導してくださいました。参加者からは「原帖の見方や半紙作品の構成方法など、たくさんのことが学べました。」との声が聞かれ、有意義な会となりました。


2019年8月11日(日)研究会「書心展作品の最終添削会」

各地で最高気温の更新が相次ぎ、厳しい暑さの夏となりました。書心展作品を制作されているみなさんにとっても、今年は暑さとの闘いにもなっているようです。8月11日(日)に本部では「書心展作品の最終添削会」が開催され、作品を持参されたみなさんが次々と集まり、添削指導を受けていました。書心展作品のサイズは半切1枚から全紙2枚継ぎを2曲まで可能な為、大型の作品を出品する方も多く、会場は瞬く間に展示された作品でいっぱいになりました。7月の「添削会」でアドバイスをいただいた箇所を修正して書き込んだ作品を持参した方は、展覧会作品としてより魅力的な作品に仕上げるにはどのように工夫したらよいのかと相談したり、誤字に見えやすい文字や、書いていて自信のない箇所を確認していただく方もいました。一方、初めて書心展に出品するという方は「構成を教えていただき、作品が見違えるようになりました。筆使いもご指導していただき、初めての参加で緊張しましたが、とても勉強になりました。これからも研究会に参加します。」と笑顔で話されていました。この日は会長初め4人の先生が添削指導に当たられ、全体の構成に問題はないか、文字の崩し方に誤りがないかなど、一人一人の作品を細部まで添削をして、展覧会作品に相応しい見応えのある作品になるよう丁寧にご指導されていました。書心展作品の最終締め切りは9月5日(木)です。体調管理に留意して、作品制作に励みましょう。


2019年7月21日(日)13:30~15:30 研究会「書心展作品の添削会」

子供たちが夏休みに入ったためか、本部近くの神谷町駅辺りでは東京タワーや愛宕神社を目指す家族連れが見られ、いつものオフィス街とは違い賑やかです。日本書道研究会の皆さんは毎年この時期、11月に東京都美術館で開催される「書心展」の作品制作で身心共に熱い夏を過ごします。その書心展の作品添削会が7月21日に本部に於いて行われました。提出締め切りは9月5日ですが、既にかなり書き込んだ大型作品を持参して、完成度の高い作品にするには更にどのような工夫をしたらよいのか等を質問する方や、作品の内容や構成にまだ迷っていて、参考資料を提示しながら相談する方など相談内容は様々でした。添削にあたられた大塚桐霞会長と榎本宏霞副会長は、作品のサイズや布置などの全体の構成についてアドバイスされたり、誤字に見えやすい文字の正しい書き方や筆法などについても細かく確認されたり、一人一人時間をかけて丁寧に指導されました。
参加者からは「自分一人で制作していると気付かないことがたくさんあると解りました。添削していただいた部分をよく見直して、来月にもう一度参加します。」「草書作品で文字の崩し方に自信がなかった箇所を教えていただいて良かったです。更に書き込みます。」などと意欲的な感想を聞くことができました。
次回8月11日の研究会は「書心展作品の最終添削会」で、担当の先生方から丁寧な添削指導をしていただけます。正会員ならどなたでも参加できます。研究会に参加して更に書の力をアップしましょう。


2019年7月14日(日)第54回書心学生展席書大会

関東地方は長雨で肌寒い日が続き、晴れ渡った夏空が待ち遠しい7月となりました。
日本書道研究会では毎年、夏休み直前の日曜日に「席書大会」を開催しています。今年も7月14日に「中央区立産業会館」で100名近い参加者が集まり賑やかに開催されました。
席書では幼年から高校生までが制限時間内に手本なしで課題を半切用紙(35×135cm)に2枚書き、良い方を自分で選んで提出します。毎年、参加を楽しみにしている児童、生徒もたくさんいます。大塚桐霞会長から「私も子供の頃に席書大会に参加してきました。広い会場で作品を書き上げたことは大切な思い出です。みなさんもきっと良い経験になると思います。楽しんで書きましょう。」とのお話があり、参加者たちの緊張が解れたところでいよいよ開始時間となりました。「始め」の合図で一斉に真っ白な用紙に向かいます。低学年は身体全体を使って大筆を動かし、高学年は布置や文字のバランスを確認しながら慎重に書き進みます。その姿からは、教室で手や膝小僧、足の裏まで真っ黒にしながら練習を重ねてきた様子が目に浮かぶようでした。高校生は課題の漢詩を楷書や行書で作品に仕上げ、仮名作品を書く生徒は布置を確認しているのか、真っ白な用紙を見つめながら墨を磨り、筆に墨を含ませると一気に短歌を書き上げていました。会場を後にする参加者達の顔には、学校行事や部活動などで忙しい中、熱心に練習をして本番に向かい、作品を書き上げたという達成感が溢れていました。また、公募作品もこの日受付けが締め切られました。翌15日に同会場にて席書と公募の作品の審査が厳粛に行われ、東京都教育委員会賞・全日本書道連盟奨励賞など、各賞が決定しました。
第54回書心学生展は、11月10日(日)から11月16日(土)まで上野の「東京都美術館」で一般部の第55回書心展と同時開催されます。ぜひ会場に足を運んで子供たちの元気溢れる作品をご覧ください。


2019年6月16日 13:30~15:30 研究会「隷書作品・楷書作品」

木々の緑も日増しに深まり夏の到来を感じます。当会の月刊誌「書の心」では4月号より「隷書」「楷書」の課題がそれぞれ『乙瑛碑』『元結碑』になりました。そこで今月は『乙瑛碑』と『元結碑』の解説と筆法をより深く理解するために研究会の課題として取り上げました。当日は最初に嶋田蕙窗名誉会長より『乙瑛碑』の内容と特徴の説明があり、隷書作品を臨書するにあたっては、「字典や他の法帖なども参考にして文字の成り立ちをよく理解しながら書くと良いでしょう。」とのお話もありました。参加者が持参した4月号、5月号の半紙課題作品を展示して筆法や布置のアドバイスをしていただいた後、早速実技に移り6月号の課題を練習しました。参加者から「起筆」「終筆」の筆使いが難しいとの声が多く聞かれたため、嶋田先生が各テーブルを回りながら「筆の穂先の角度」や「筆圧の掛け方」などを丁寧にご指導してくださいました。後半は「書の心」誌で『元結碑』参考手本を揮毫されている榎本宏霞副会長より、顔真卿作品における『元結碑』の特徴の解説がありました。「臨書作品は原帖に忠実に書くことが第一義ですが、半紙作品に纏めるためには文字の大小や幅にも工夫が必要です。」また「『元結碑』では欠損部分が多くあり、それらを書く場合には顔真卿の同年代の作品の文字を参考にして書くことをお勧めします。」と、顔真卿の年表や文字の資料も紹介してくださいました。参加されたみなさんが顔真卿の筆法の特徴でもある「蚕頭燕尾」の筆使いを熱心に練習しているうちに瞬く間に研究会の終了時間となってしまいました。榎本先生や周りの方達にアドバイスをいただいて美しい波磔が書けるようになった方もいて、その満面の笑みからは仲間と学び合う楽しさが感じられました。後日、「帰宅後すぐに、教えていただいた筆法を思い出しながら今月の楷書課題を書き直してみました。」という意欲的な声も届き、有意義な研究会となりました。


2019年6月2日(日)令和元年度 師範・雅号認定授与式及び師範位祝賀会
(於:東京ガーデンパレス)

4月に実施された一般部の師範・昇段昇級試験の結果、本年度は漢字部6名、かな部10名が師範位を取得され、38名が初段に合格して当会の正会員になられました。その認定授与式と祝賀会が6月2日(日)にお茶の水の「東京ガーデンパレス」に於いて執り行われ、大塚桐霞会長より師範位認定証並びに雅号の許状が一人一人に授与されました。大塚桐霞会長は師範位認定者には「長い努力の結果、厳しい試験を乗り越えて師範になられました。しかし師範位はゴールではありません。指導者として教えることで新たに学ぶことや、これまで感じなかったことにたくさん気づくことがあります。これからも書の道を深く追求していってください。」と話され、雅号授与者には「芸術家が本名以外につける風流・風雅な別名が雅号です。雅号を授与された皆さんは芸術家の入り口に立ったことになり、これからも自分自身の向上のために益々書の道に精進してください。」と励まされました。嶋田蕙窗名誉会長は『心躍る人生』というタイトルで野球愛を貫いたイチロー選手の記事を書かれた作家の話を例に、「スポーツだけではなく誰でもそのことが好きな道なら一生続けることができ、必ず熟練者になり、経験も知識も人脈も広がって魅力的な人になれます。皆さんの歩む道に『書』が入っていれば大変嬉しいことです。一度きりの人生、心躍るものにしましょう。」と祝辞を述べられました。厳粛な式典後は師範位認定者を囲んで、同会場で祝賀会が開かれました。米山映峯最高顧問は祝辞の中で「『書の心』誌を学ぶ時に、ぜひ小学生の毛筆も書いてみてください。簡単そうに見えますが、ひらがなや画数の少ない漢字がいかに難しいか実感すると思います。」と勉強方法のアドバイスをしてくださいました。また、石橋柳苑名誉顧問は「日本書道研究会」を盛り込んだ替え歌を披露され、その楽しい歌詞に会場は歓声と笑い声で包まれ、各テーブルで話も弾み、終盤は毎年恒例のグループ対抗の漢字ゲームで大いに盛り上がりました。


2019年5月19日(日)13:30〜15:00 研究会「かな ちらし書きの創作」

令和元年が始まり日本書道研究会の今年度の行事も順調に進んでいます。
当会の月刊誌「書の心」には「和歌の作品」が「半紙かな課題」の一つとして掲載されています。毎月書いていてもいざ自分で半紙に散らして創作するとなると「構成は四行にするのか五行・六行にするか等行数で迷ったり、変体仮名の選び方や墨つぎがよく解らなかったり、創作は難しい。」という声をよく聞きます。そこで5月の研究会は「ちらし書き」をテーマに石橋柳苑名誉顧問を講師にお招きして勉強しました。最初に課題を横型作品にされた田中金川最高顧問と、縦型作品に纏められた石橋先生の課題作品を展示し、和歌のちらし方の詳しい説明がありました。石橋先生は「基本の筆使いが身についたら、古筆の臨書にじっくりと取り組み、文字の大小や余白の取り方、行の流れなどに留意し、一つの帖に数年掛けるつもりで書き続けると、自然に手が動くようになります。その後、倣書をして和歌のちらしを創ってみるとよいでしょう。」と話されました。その後、「関戸本古今集」の一部分を参加者全員で臨書しました。1時間弱の臨書時間でも石橋先生にアドバイスをいただきながら書くうちに、筆使い・文字の大小・行間など今まで気づかなかった新しい発見がありました。ご欠席の田中先生からは「毎月のかな創作や条幅作品に挑戦してください。著名な先生の作品を参考にして、常に美しいものを見て感性を磨くことが大事です。」とのメッセージをいただきました。最後に持参した課題作品をもう一度書き直してこの日の総まとめとしました。


2019年5月11日(土)「『書の心』600号記念式典及び新年度親睦会」
(於:東天紅上野店)

令和元年5月11日(土)に「『書の心』600号記念式典及び新年度親睦会」が上野池之端の東天紅で開催されました。『書の心』600号記念式典では大塚桐霞会長から「『書の心』は昭和44年4月から今年3月まで休むことなく出版されてきました。山口昭峯第三代会長の創刊の辞には「顔法を基調としながらも書道の発展普及のために、顔法以外の書についても、広く深く研究できるような書誌に育成したい。」とあります。現在『書の心』はこの一冊で様々な書体、書風を学ぶことが出来ます。700号、更にはその先に向けて研鑽を積み、108年間脈々と受け継がれてきた伝統ある日本書道研究会と、書道会全体の発展に取り組んでいきましょう。」というご挨拶がありました。米山映峯最高顧問は『書の心』創刊当初の先輩先生方の書に懸ける熱意と発刊に寄与されたお話をされ「基本をしっかり身につけた上で幅広く研究して、700号まで、これからの8年間を時代の変化に添いながら成長をしていきましょう。」という言葉で締めくくられました。また永年当会を支え後進の指導に当たられている全支部長には、表彰状と記念品が贈られました。

短い休憩の後、令和元年新年度親睦会が同会場で行われました。大塚桐霞会長は「新しい令和の時代とともに、支部を作り広く書道を普及させ、個人的にも新たな目標を立てて成長していきましょう。」というご挨拶がありました。嶋田蕙窗名誉会長からは「新しい時代と共に日本書道研究会も新しい若い力が育ち、会の運営、活動も幅広くなりました。これからも会の発展に協力していきましょう。」と話されました。米山映峯最高顧問の乾杯のご発声で宴が始まり、各テーブルで和やかに食事、歓談が続き、支部や参加会員の紹介もありました。更に支部長を代表して小澤榮楓先生、小林桃峯先生、島秀明先生が支部開設時の話や楽しいお仲間や教室の様子についてご披露されました。役員の先生方の作品がいただける抽選会で宴はたけなわとなり、最後に今年度の行事担当者、事務局スタッフの紹介がありました。会員一同が協力して、真摯に書を学び、この伝統ある会を一層発展させていこうという気持ちが溢れる、新元号制定の年に相応しい親睦会となりました。


2019年3月10日(日)13:30〜15:30 研究会「師範昇段昇級試験作品添削会」

各地から花の便りが届く季節となりました。本部では今年度最後の研究会「師範昇段昇級試験作品の添削会」が開催されました。一年間「書の心」誌で学んだことや展覧会作品に挑戦したこと、更には独自で研究したことなどいろいろな経験を作品に活かして纏め、その成果が試される時です。昇段昇級試験の課題を持参された方達は脱字がないか、誤字に見られやすい文字がないか、更に構成や筆法で疑問が生じたところなどを添削指導の先生に質問し、内容をメモに取りながら真剣な面持ちで指導を受けていました。また今回師範を受けられる方の中にはご指導の先生と一緒に参加された方もいました。師範試験の課題はより高い作品性も求められるため、完成度の高い作品にするためにはどう工夫したらよいかなどと熱心に質問をし、添削指導の先生はひとりひとりに丁寧に応えられていました。熱気あふれる今年度最後の研究会は時間を大幅にオーバーして終了しました。試験課題作品は4月5日(金)が本部提出締め切りです。提出期限まで一ヶ月を切りましたが、受験される方は課題作品をよく見直して、ご自分の納得のいく作品になるよう頑張りましょう。


2019年3月1日(金)〜 4日(月)「第54回日本書研展」 於:上野の森美術館

「春に三日の晴れなし」の諺とおりの空模様の中、3月1日から4日まで、東京・上野の「上野の森美術館」にて「第54回日本書研展」が開催されました。「日本書研展」は当会師範位以上の一門展として毎年1回開催されています。会場には新しく師範位を取得した方々を加え140点の作品が展示されました。本展覧会は、日ごろから当会発行の月刊誌「書の心」を中心に、楷・行・草・篆・隷書や仮名などを学びながら自身の書風を追求し、研鑽を重ねた成果が発表できる場です。様々な書体、題材、型式の作品があり、重厚な味わいある筆使いの漢字作品や優雅な仮名作品がある一方で、初出品の新師範の作品からは力強さを感じさせるものもあり、観る人を飽きさせない魅力的な作品が展示された会場は、4日間とも大いに賑わいました。近年は小さなお子さんや若い年代の方の来場も増え、更に外国の方が足を止めて熱心に鑑賞してくださる姿に、来年に向けての創作意欲が益々高まってきました。来年も「心に響くような書」が発表できるように、会員皆で研鑽に励んで行きます。


2019年2月16日(土) 研修会「王羲之書法の残影―唐時代への道程」鑑賞会(於:台東区立書道博物館)

平成30年度の最後の行事となった研修会は、台東区立書道博物館での鑑賞会でした。東京国立博物館で開催されていた「顔真卿展」と合わせて鑑賞し、書の歴史を学び、理解を深めて日頃の書活動に活かそうと企画されました。当日は台東区立書道博物館の学芸員に展示作品の詳細な解説をしていただけるとあって、参加者も50名余りになり午前、午後の2回に分けるほどの盛況ぶりで、みなさんの関心の高さが伺えました。
内容は王羲之が活躍した東晋時代と、虞世南・欧陽詢・褚遂良・顔真卿が活躍し、書が最も高い水準に到達した唐時代までの架け橋となった南北朝時代の書の発展の道程を拓本や肉筆資料でたどるものでした。学芸員の豊富な知識と展示品への愛情溢れる話を聞きながら鑑賞していくことで、龍門二十品と呼ばれている石碑の拓本や法帖、タクラマカン砂漠に眠っていた当時(505年頃)の肉筆の法帖、皇帝が崇拝した王羲之作品の拓本などの数々の展示品により、更に深く学ぶことができたように思います。今回顔真卿については時間の関係上詳しい説明はありませんでしたが、顔真卿の肉筆は2点現存し、1点は台北の故宮博物館、もう1点はこの博物館が所蔵し、現在は顔真卿展開催中の東京国立博物館へ貸し出されています。複製版は常時展示されていますが、実物は数年に一回展示されるようです。最後に本館での常設の甲骨文字、金石文字、塼など文字の起源に関する展示品も鑑賞することができました。鑑賞会後には新たに気付いた事や感想を話し合う人達やその足で「顔真卿展」に向かう方もいました。参加されたみなさんは更に探究心を掻き立てられた様子で改めてゆっくり訪れたいとの声も聞かれ充実した研修会となりました。


2019年1月20日(日)13:30〜15:30 審査員・鑑査員及び支部長勉強会

平成30年度最後の審査員・鑑査員及び支部長勉強会の課題は、現在「書の心」誌の楷書課題として学んでいる「放生池碑陰記」でした。課題の24文字の中に帝を敬うための欠字があり、参加者からは字の配置に苦労したという声が多く聞かれました。
米山映峯名誉会長は「帝(皇帝、貴人)を一番上に書く場合は、欠字を作らずとも敬意を表せます。作品にする際には短い文章では欠字が目立つ為、通常は欠字のバランスを考えて文章を選びます。今回は勉強のために短い文章をあえて課題に選びました。」と説明してくださいました。顔真卿は50代半ばから左遷が続き、地方赴任を繰り返した中で多くの碑を残しました。「時代やその時の心情によって書かれた文字には違いがあり、それぞれを臨書することで顔真卿の凄さ、魅力を発見してほしい。」とも話されました。
また、嶋田蕙窗会長は用紙選びについて、「楷書作品を書く場合は少し食い込む紙に、滲み過ぎないように書くと味わいのある作品になります。」と話されました。
参加者同士の活発な意見交換の後に実技に移りました。全員で中鋒の筆使いを確認、技巧的でなく自然な筆運びを練習しました。勉強会を終えて、臨書をすることで新しい気付きがあり、学ぶ楽しさを味わえたという嬉しい言葉が寄せられました。


2019年1月13日(日)12:30〜15:00 研究会「支部長講習会」

厳しい寒波の中、平成最後の新年を迎えました。今年最初の研究会は、4月に実施される師範・昇段昇級試験に向けての支部長対象の講習会でした。初めに試験担当者より本年度のスケジュールと注意事項の説明があり、次に昇級試験の半紙課題作品、その後師範・昇段試験の条幅仮名・条幅漢字作品の講習に移りました。仮名は田中金川最高顧問が「行の整え方や線の変化の出し方、墨量や渇筆の筆使いなど」について説明され、支部長が持参した課題作品については、構成や連綿線の書き方などについて一枚ずつ丁寧なアドバイスもありました。漢字作品は米山映峯名誉会長が担当され、「指導者が基本を再確認し、納得したうえで自信を持って指導し、生徒がこれまで勉強してきた成果が発揮できるように心掛けて欲しい。」と話されました。支部長から文字の選び方、構成などについて次々と質問の手が挙がると、米山先生は陳列された支部長の課題作品を例に、間違えやすい文字について、また落款の位置なども含めた作品構成について、書き易く、わかり易い手本を制作する為の大事な点を説明されました。支部長からは「自分の作品の問題点が良く理解できた。自分の言葉で生徒にきちんと説明できるように、再度基本を見直して指導したい。」などの声が聞かれました。2月と3月の研究会は「試験課題の添削会」です。受験される会員の方以外にも、ご指導の先生でも参加できます。1回でも2回でも研究会に参加し、見応えのある作品を書いて、受験者は全員合格しましょう。


2018年11月18日(日)13:00〜16:00 第54回日本書研展作品確認会

本格的な冬の到来を感じさせる寒さとなった11月18日の日曜日に、来春開催予定の「第54回日本書研展」の「作品確認会」が本部に於いて開催されました。先月の「下見・相談会」以降に作品の型式や内容を変更した方や、更にアドバイスなどを受けたい方を対象に行われ、11月16日まで東京都美術館で開催されていた「第54回書心展」の直後の相談会とあって、書心展作品に刺激を受け、創作意欲を掻き立てられた人も多かったようで、たくさんの参加者が集まりました。「10月に提出した作品を修正してみたが、更に充実した作品に仕上げるにはどのようにしたら良いか。」「用紙や墨色は内容と合っているか。」「落款の収まりは良いか。」などと積極的に質問をする方も多く、指導にあたられた担当役員はそれぞれの個性を活かした作品がより良いものになるように、一人一人丁寧に対応され、終了時間まで会場は熱気に溢れていました。作品の最終提出日は12月7日(金)で、「第54回日本書研展」は平成31年3月1日(金)~4日(月)「上野の森美術館」にて開催されます。10月の「作品下見・相談会」と今回の「作品確認会」と2回に亘って行われた研究会の成果が、魅力ある作品となって会場に展示されることが大いに期待されます。


2018年11月10日(土)〜 11月16日(金)「第54回書心展」〈於:東京都美術館〉

朝晩の寒暖差が大きくなり紅葉の見ごろを迎えました。上野公園の樹々には暖かな秋の日差しが注がれて、公園全体が芸術の秋そのものといった美しさが感じられました。今年も「東京都美術館」で「第54回書心展」が開催され、日頃古筆の勉強に取り組み、その集大成としての臨書作品や、当会の月刊誌「書の心」などで勉強し、自身の作風に昇華させた魅力ある創作作品が会場いっぱいに展示されました。「U23部門」は年々出品数が増え、若さ溢れる作品は、気負わず大らかで真摯に取り組む姿が垣間見られ、将来への期待が膨らみました。鑑査員部の「書心大賞」始め一般部の「東京都知事賞」などの推薦賞受賞作品は、どれもみな構成も素晴らしく、魅力的な線質で書かれ、気迫に溢れていて、多くの来場者は心奪われ、感動して作品の前でしばし佇む姿が見られました。10日(土)午後には東京都美術館の講堂で授賞式が行われました。嶋田蕙窗会長は祝辞の中で「書は自己表現ともいわれ、心の表現と表裏一体をなしています。作品を見た時に書いた人に会って話を聞いてみたいと思わせるような作品が書けるように、常に心と技術の両方を磨いて、たゆまず励むことが大事です。」と話されました。受賞者は勿論、会場の皆さんにも深く心に響くお話でした。また、同日の夕方からは「上野精養軒」に会場を移し「書心展懇親会」が開催されました。受賞者の皆さんの作品制作時の苦労話や、ご指導の先生と築かれた絆の深さなど、普段聞かれないお話に感銘を受けた方も多く、心に残る宴となりました。

受付
役員作品
受賞作品
授賞式 懇親会
第54回書心展授賞式集合写真

2018年11月11日(日)13:30~14:30 第54回書心展ギャラリートーク
〈於:東京都美術館〉

第54回書心展各部門の推薦賞受賞者とご指導の先生、当会役員によるギャラリートークが書心展会場内で開催されました。最初に紹介された「U23新鋭賞」を受賞した青年の「書いても書いても満足することはないです。書は終わりが見えないところが好きです。」という意欲的で頼もしいコメントで会場が一瞬にして明るくなりました。各受賞者の「題材選び」「作品制作過程で悩んだ箇所や工夫した点」などの話では、各々作品を前にして解りやすく説明され、とても良く理解できました。「先生に何度も相談してご指導を受けた。家族の励ましで書き続けることができた。」といった話からは、受賞者を取り巻く環境も作品制作の上ではとても大事であることを改めて気付かせくれました。また、役員の先生が持参された原寸大の拓本と、それを大きく書いた臨書作品とを比較しながらの構成や筆法などの話は、これから臨書作品を選んで書く際の大変参考になる内容でした。
最後に嶋田蕙窗会長の「日本書道研究会は発足以来107年、顔真卿の書を学ぶ会としてスタートしましたが、今ではいろいろな書体の古筆を学ぶ会として発展してきました。常に基本を疎かにせず、その上に個性を磨き、各自の書風を確立していきたいものです。研鑽を積み、作品を見た時にその書家に会ってみたいと思わせるような書が書けるよう、互いにたゆまず修練していきましょう。」と話されました。来年のギャラリートークもぜひご期待ください。


2018年11月10日(土)~ 11月16日(金)「第53回書心学生展」

上野公園の樹々の彩が美しくなり、休日には動物園や美術館を訪れる人々で賑わいを増しています。その上野公園内にある「東京都美術館」で11月10日(土)から「第53回書心学生展」が開催されました。
今年も猛暑となった7月に「中央区立産業会館」で行われた席書大会の作品と公募作品が書心展会場と隣り合わせの会場で展示されました。席書参加者が一堂に会場に集まり、手本を見ずに短い制限時間内で書き上げた席書作品は気迫が漲り、堂々としていました。また教室で何度も練習を重ねて書き上げられた公募作品からは、意気込みと努力の跡が感じられました。そしてどの作品からも一生懸命に書いている子供たちの姿が目に浮んでくるような気がしました。また中高生の作品は、基礎をよく勉強し丁寧に書かれているものが多く、日頃から書に真面目に取り組んでいる様子が窺えました。展示会場では作品を前に、教室でお友達とたくさん練習した様子をご家族に話す子ども達や、部活動や塾で忙しい時でも時間をやり繰りして練習を重ねて書き上げた作品の前で記念撮影をする子ども達の姿が会場のあちこちで見られました。
11月10日(土)午後、東京都美術館講堂にて授賞式が行われました。大勢の受賞者は壇上に上がり、一人一人賞状と大きな楯をいただきました。嶋田蕙窗会長からは「受賞おめでとうございます。受賞は自分一人の力だけではなく、ご指導の先生、支えて下さるご家族、励ましあう友人のお蔭ということも忘れずに皆に感謝しましょう。そして更に上達するには『先生の教えをよく聞き、手本をよく見て、たくさん書く。』これは習字の『三多』といいます。これからもずっと元気で三多を頑張りましょう。」というお話がありました。壇上で賞状を受け取る時には緊張した様子の子ども達でしたが、式典後にはご家族やご指導の先生に「頑張ったね。」と声を掛けられると、達成感のある元気な顔で賞状や楯を見せている姿はなんとも微笑ましく、こちらも自然に笑みがこぼれてくるような式典でした。

東京都美術館 受付
受賞作品
会場風景
授賞式
第53回書心学生展授賞式集合写真

2018年10月21日(日)10:00〜16:00 研究会「第54回日本書研展作品下見相談会」

爽やかな秋空に恵まれた日曜日、来春開催される「第54回日本書研展」の作品下見相談会が出品予定者全員を対象に本部で行われました。「日本書研展」は漢字及びかな部で師範位以上の方の発表の場として毎年東京・上野公園内の「上野の森美術館」で開催されます。第54回展の会期は平成31年3月1日(金)から3月4日(月)です。公募展の書心展とは異なり、比較的小さい作品で出品者の自由な表現を感じることが出来る楽しい展覧会です。下見相談会は日本書道研究会役員により出品予定作品の一点一点に、作品の構成から書体、用紙の選び方などまで、多岐に渡りアドバイスをいただける会です。参加された方々は下書き作品と資料などを持ち込み、熱心に相談をしたり添削指導を受けていました。次回11月18日(日)に行われる「作品確認会」や12月7日の作品提出締切日に向けて、より魅力的な作品を制作したいという意気込みが伝わってきました。